タイトル:行動経済学が最強の学問である
著者:相良奈美香
出版社:SBクリエイティブ
発売日:2023/6/2
単行本:368ページ
行動経済学に興味を持ったのはビジネスマンだからというわけではなく、漫画を読んだのがきっかけ。
「カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義」
著者はライアーゲームを描いた甲斐谷忍さん。有名経済学教授が人間心理を利用して詐欺師を騙していく物語。
本書ではまず、「経済学」と「行動経済学」の違いは何か、を説明。
経済学は「人間が合理的に判断して行動した結果のお金の動き」を研究する分野。
しかし、人間の行動は全てが合理的に行われるわけではない。
そのため経済学では理解できない事象が発生している。
そこで経済学と心理学を組み合わせてできたのが行動経済学。
「非合理な人間が、なぜ非合理な行動をしてしまうのか」を研究する学問とのこと。
しかし、行動経済学は学問的にまだ体系化されていないとのことなので、これからも新しい理論が追加されていくのではないかと思う。
なぜ行動経済学が注目されているかというと、「ナッジ理論」や「プロスペクト理論」など、ビジネス分野で使われているから。
しかし、学問的に体系化されていないこともあり、さまざまな理論の羅列になっていて、分類化されていない。
本書はそれらの理論を「認知のクセ」「状況」「感情」の3種類に分類して、ビジネス向けに説明している。
文書の構成も「理論の名前 → 理論の概要 → 具体的行動例」となっているため、非常に読みやすい。
具体的行動例を読んでいると、「私のあのときの行動はこれにあたるな」や「あの人はこの理論に該当する行動なのか」という発見も楽しめる。
人間の行動に関する理論なので、マーケティング職や営業職の方にもちろんおすすめの書籍だが、マネージャー、ソフトウェア開発職(特にUI/UX)、デザイナー職にもおすすめ。
また、普段の生活の中で「これはこの理論を使っているな」と認識できると、有効かつ損をしない生活を送れるのではないか。
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